印刷会社がペーパーレスを提案!? 沖縄のデジタル化をけん引して業界全体を盛り上げる
有限会社朝日印刷
代表 上原俊哉 氏
創業以来、半世紀以上にわたって印刷業一筋で歩んできた沖縄の「朝日印刷」。26歳で母の会社に入った4代目の上原俊哉社長は、印刷物が減って業界の先行きが危ぶまれる中、生き残り策を10年以上模索してきた。その結果、沖縄でまだ進んでいなかったITに着目。5つの新事業を立ち上げて40歳で代表に就き、新型コロナで印刷業界が打撃を受ける中で順調な成長を遂げている。
印刷会社があえて紙を減らす試みを。同業他社をライバル視せずサポートして、低迷する業界を盛り上げたい。上原社長の活動の根っこにあるポジティブ思考がどこから生まれ、どう周囲に影響を広げたのか。そして前向きで明快な将来展望にも迫る。
出典:令和2年度中小企業庁/プッシュ型事業承継支援高度化事業/「ロールモデルのクローズアップ」事業「継ギPedia」(http://tsugipedia.com/)
印刷業はやり尽くした。新しくやるなら、内地にあるけど沖縄にないもので
それに沖縄には印刷会社が100社以上もあって、県の規模からいって結構多い。だから印刷物を取り合っている状況です。伝票、封筒、チラシ…。印刷って、どこかの会社が飛び抜けてできるわけじゃない。大きな機械を持っているかいないかの違いぐらいで。
また、既存の印刷の顧客に対してペーパーレスのご提案ができるので、新規事業で大変な顧客獲得もやりやすいということが、印刷会社ならではの強みです。
朝礼で培われていった社員のモチベーション。覚悟を形にして新事業へ。
たまに社員にレポートを書いてきてもらって、しゃべってもらいます。頭で思っているのと口に出して言うのとは全然違うし、みんなの前で話すってことはプレッシャーを自分で与えるみたいなものだし。
新事業のために何千万もの借り入れをすることになりました。印刷の売り上げだけでは絶対返せない額です。銀行が「現社長では貸せない」と代表の交替を条件にしてきたので、40歳で代表に就任しました。
同業他社がライバルから協力会社へ。印刷業界全体を盛り上げる
仕事と人生を楽しんで、沖縄で1位を目指す
そこで出会った人って、その日暮らしなのにポジティブで底抜けに明るかったんです。物事を前向きにとらえれば、なんだかんだでいい方向に向かうって、貧乏旅で学びました。その後沖縄に戻って、朝日印刷に入社したんです。
それで決算を沖縄で上げて、沖縄にお金を全部落としたいんです。
【沖縄】
有限会社朝日印刷 https://www.paperless.co.jp/
代表 上原 俊哉 氏
■取材した人
マッキー
1995年生まれ。ベンチャー企業に勤務しながら、アトツギベンチャー取材やイベント運営を担当。