建設不況と東日本大震災、明かりを灯し続けた “地元企業” としての矜持
ダイリ建設株式会社
代表取締役 渡邉浩章 氏
「自分たちだけは電気を消しちゃいけない」。
東日本大震災直後、暗闇に包まれた地元の町に明かりを灯し続けた建設会社がある。ダイリ建設株式会社は、昭和51年の創業より地元郡山のインフラ整備に尽力してきた。
2010年前後の建設不況により業績が低迷、2011年には東日本大震災を経験しつつも、二代目のバトンを受け取った渡邉浩章社長のもと、地元の復興に携わりながらV時回復を果たす。
そして現在、新規事業として新会社で展開する介護施設事業の指揮をとるのはなんと先代である。新しいスタイルの事業承継モデルが生まれた背景、地域の未来への地元企業としての思いなど、渡邉社長に話を聞いた。
出典:令和2年度中小企業庁/プッシュ型事業承継支援高度化事業/「ロールモデルのクローズアップ」事業「継ギPedia」(http://tsugipedia.com/)
仕事に打ち込み自信をつければ、正面からぶつかればいい
東日本大震災直後の暗闇「町に明かりを灯し続けよう」
潔い退き際の先代はいま、新規事業の介護サービスに全力投球
地域のより良い未来のために、建設会社ができること
歩道橋工事は3年くらいやっていましたからね。ときどき小学生が「なにやってるの〜?」と覗き込んでいたみたいです(笑)。その好奇心を満たしてあげたかったし、「あの歩道橋を最初に渡ったのは僕たち私たちなんだ」という思い出をプレゼントしたかったんですよね。
それに、子どもたちに地元の建設会社の存在を知ってもらう機会にもしたかった。将来うちで働いてくれるかもしれないじゃないですか。
肩肘はらず自然体で。全ての経験はいつか笑い話になる。
【福島県】
ダイリ建設株式会社 https://dairi-i.com/
代表取締役 渡邉 浩章 氏
■取材した人
ゴードン/編集長
家業である和紙卸問屋で4代目候補として8年従事。
アトツギの苦悩を誰よりも理解していることから、孤軍奮闘するアトツギに感情移入しがち。関西大学「ガチンコアトツギゼミ」非常勤講師。