2022.07.22

アトツギ支援における民間企業の役割について

こんにちは、ベンチャー型事業承継のトニーです!

この編集部コラムのコーナーでは、日頃、事務局員がアトツギと触れる中で感じたことを書いていきます。

 

今日の話題は『アトツギ支援と民間企業』についてです。

私自身、民間企業からの出向者であり、かつ当社団の一員として、協賛企業やイベントの主催企業の皆様のカウンターパートを務めています。

日々のこのような業務の中で、私は将来的に民間企業がとりわけ大企業が、アトツギエコシステムにおけるひとつの大きなピースになると考えています。

そんな中での疑問や葛藤について書かせて頂きます。

現在、当社団にご協力いただいている民間企業は理念に共感して、一緒にアトツギエコシステム構築に向けて伴走してくださっています。

ファミリー企業が日本の経済を支えている現状であるにも関わらず、アトツギに対する国として支援はほとんどない現状を打破するため、日々活動されている方も多いです。

 

ただ、一方でご協力いただいている皆さんはほとんどがサラリーマンです。

仕組み上、半年や一年に一度役員等への報告があり、そこで聞かれることは、決まって『どこで収益を稼げるか』になってしまいます。

大企業の役員の任期は数年であることが多く、その間に結果を残さなければなりません。

企業のブランディングとしても大きな効果があると感じてはいるものの、ブランディングは目に見えた効果を報告しにくい。

そして、その役員への報告が必要な、実際にアトツギを支援してくださっている皆様も短期間で収益を求めざるえません。

 

また、アトツギへの支援がまだまだ進んでいない背景には、決裁権の問題もあります。

アトツギの皆様がぶち当たる壁のひとつでもあると思いますが、まだ代表権がないアトツギの場合、事業として新たな取り組むべきことを見つけたとしても代表に認めてもらえなければ、決裁がおりず、やりたくてもできないということがあると思います。

つまり、収益を稼がなければならない支援者側もどうしても現社長に目線がいきがちです。

 

中長期目線で考えると、アトツギを支援することの価値・必要性は誰もがわかっているものの、自分ごとに落とし込み、今すぐに取り組むかという観点でとらえると後回しにされがちな分野だと思います。

 

私個人の意見としては、ビジネスになりにくい分野も取り組める行政を動かすことがアトツギのムーブメントを起こす一歩目に必要なことだと考えておりました。

そして、直近のメディアでも取り上げられたように、政府は『アトツギ支援ネットワーク(仮称)』を年度内に創設する予定となっています。

 

これにより、アトツギ支援が民間企業で収益化される滑走路はできつつあるかと思います。

行政だけでなく、民間企業からアトツギの支援を受けられるまで、まだ時間はかかると思いますが、少しずつ景色が見えてきているのではないでしょうか。

アトツギエコシステムの大きなピースのひとつである民間企業が大きく動く日も近いかもしれません。

その景色がはっきりと見えたとき、営業マンや士業の方が、アトツギを無視した現社長に偏った提案をすることも少しは減ってくるのではないかなと思います。

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