理想の光景をめざし、看板商品のモヤシから事業拡大へ
株式会社川﨑食品
代表取締役 川﨑紀明 氏
創業昭和2年、佐賀県内でモヤシの製造販売を手掛ける川﨑食品。福岡との県境にある脊振山系の地下水で栽培し、九州中心に1日12万袋を納める九州で業界2位の企業だ。
モヤシと言えば、スーパーで1袋数十円で売られる安売りの定番商品。しかし原料の緑豆が高騰する一方で商品価格は上がらず、廃業する会社も相次いでいる。業界がそんな逆境にある中、早くから家業入りを決め在学中に取締役に就いたのが、4代目アトツギの川﨑紀明社長。10年後に向けた新しい組織づくりや、「手抜き」ではなく「手間抜き」ととらえた働き改革に若い感性で取り組んでいる。
モヤシからキノコへと展開し、今後は食品開発にも取り組みたいという事業拡大の話や、若さをプラスにとらえるコツについて川﨑紀明社長に聞き、父の川﨑俊明会長にも先代のあるべき姿についてきいた。
出典:令和2年度中小企業庁/プッシュ型事業承継支援高度化事業/「ロールモデルのクローズアップ」事業「継ギPedia」(http://tsugipedia.com/)
大学3年で家業の取締役に就任
はい。大学3年のとき株式を持って取締役になり、その時点で意志を固めていました。工場の中に家があるような環境で育ったし長男でもあるので、「後を継げ」と言われたことはないけど「継ぐんだろう」とずっと考えてきました。
入社という形を取ったのは大学院を出てから。2014年、24歳のときです。川﨑食品に籍を置き、1年間だけ全く違う業種に出向して戻ってきました。3か月後に副社長になり、5年経って社長を交代しました。
不満を飲み込むのは、現状を知り今後を考えるため
継がせる側は「任せる」、まずいと思った時だけ「耳打ちする」
若くても気負わず自然体で。若いからこそ、周囲が助けてくれる
創業100年に向け、もやし屋から食品屋へ
【佐賀】
株式会社川﨑食品 https://www.kawasakisyokuhin.jp/
代表取締役 川﨑 紀明 氏
取締役会長 川﨑 俊明 氏
■取材した人
サモアン
1990年生まれ。東京出身。公務員家庭に育つ。六大学野球では日本一を経験し、全てのビジネスワードを野球用語に置き換える根っからの野球好き。卒業後は、日本を代表する大手金融機関に就職。体育会系の粘りの営業スタイルでMVPも獲得するなどサラリーマン人生も好調。でも「いつかは起業したい」という思いもあり、後継者不在の会社の経営者になるM&Aに興味津々。勝負球は140kmを超えるストレートとしょんべんカーブ。