25歳で従業員2000人の企業を承継!会社の成長に対するゆるぎない信念で改革を実行。

会社の成長に対するゆるぎない信念で改革を実行

トニー:今回のゲストは、25歳の若さにして代表取締役に就任、利益を短期間で4倍にまで拡大された強者かつイケメン社長の株式会社ヤマシタ 代表取締役社長 山下和洋さんです!

ではさっそく、家業を継がれた経緯を簡単に教えてください。

 

山下さん:私の場合は、大学卒業とともに正式な試験を受け、父親である社長の最終面接を経て入社しました。

幼いころから創業者である祖父や父から「お前は未来の後継者」と聞かされていたので、自分としてもごく自然にそんな人生を思い描いていました。

 

 

トニー:代表になられるまでがかなり早かったと思うのですが、どのような経緯だったのですか。

 

山下さん:入社当初は、初進出の香川県での新規開拓営業を担当していたほか、生産性を向上させるための改善提案を月に1回、社長である父に対して行っていました。1年目の終わりからは、子会社のCOOというかなり大きな仕事や、広報、採用なども担当し、その過程で会社のキーマンについてもかなり把握できました。

入社4年目でそれらの実績が認められ、課長職に就きました。しかし、その一ヶ月後に父親が交通事故で急逝し、そのまま社長に就任しました。

 

トニー:一般的な1年目や2年目のサラリーマンの思考ではないなと思いますが、それには学生時代の経験や先代の教えなどが影響しているのでしょうか。

 

山下さん:思い返せば小学校の卒論は“介護保険制度”でした。まだ介護保険が存在していない時代に「どんな仕組みが良いのか」という事を考えていたり、高校時代には福祉用具専門相談員の資格を取得したりもしていました。

また、父親の仕事に対する姿勢を尊敬していたことも理由だと思います。ちなみに入社当初は、土日も返上して勉強会などに率先して参加するような日々でした。

 

トニー:一従業員の頃から、家業に対する課題を感じられていたのですね。社長就任時にはどのような課題があったのでしょうか。

 

山下さん:当時の課題としては、残業代の不払い、マネージメントがきちんとできておらず情報共有が不十分であったこと、目標を追い求める文化がないなど様々な課題がありました。その中でも特に課題を感じていたのが利益の向上についてでした。

 

山下さんがメンターを務めるアトツギU34はこちら

リバイバルプランを断行し、肉食系の営業スタイルに

 

トニー:具体的にどのような改革をされたのですか。

 

山下さん:たとえば介護用品のレンタル事業のシェアがどんどん下がってしまっていました。。

残業も長かったし…頑張って働いてくれている社員たちに申し訳ない気持ちで一杯でした。

拠点は都市部で、まさにレンタルの激戦区でした。しかし営業はというと、その地域での戦いを避けている状態だったんです。

結果、顧客のドーナツ化現象に繋がり、営業マンの移動時間も必然的に長くなってしまい、非効率な営業になっていました。

ど真ん中で勝たないと業界ナンバーワンにはなれないし、昇給してあげることも不可能です。

「リソースをしっかりと供給できる範囲を定めて、そこを勝ち取ることができれば、顧客にはプラスになり、会社にとっても誇りにもなる」と考え、

リバイバルプランと名付けた中期経営計画のもとに、苦手な都市部エリアの攻略作戦を断行しました。

 

営業社員による説明の様子

 

計画実行直後はさらにシェアが下がったものの、半年後ぐらいから一気に蘇生していきました。

改革の当初は業績が必ず一度下がるものですが、避けては通れない道です。結果、断行して良かったなとつくづく思います。

 

トニー:責めるエリアを郊外から都市部に移すのって、難易度がかなり上がると思いますが。

 

山下さん:弊社では元来、「専門性を軸にサービスの品質を高める」が強みだったので、顧客対応に関しては既にとても高いレベルでした。

品質という“武器“はちゃんとあったのです。問題は、他社との競争の中で仕事を取ってくるくるような肉食系の営業スタイルではない部分。

 

トニー:営業のポテンシャルを高めるために、“数字に対するこだわり“をかなり強くさせたとのことですが、そのための工夫などがあったら教えてください。

 

 

山下さん:当初は各拠点での予算管理や営業目標がとてもずさんな状態で、予実管理などは皆無でした。

KPIについての理解もなく、そもそも目標が達成できなくても悔しがる様子もありません。なので、知識と行動両面に関して基礎からの立て直しを図りました。

当時は顧客対応だけではなく営業も重視する会社へと、かなり厳しく教育していきましたね。結果、3年ほどで数字重視の会社へと変貌しました。

 

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トニー:M&Aについてお聞かせください。EC事業などを買収してこられたとのことですが。

 

山下さん:業界ナンバーワンを取る上でM&Aは必須だと考えていますが、M&Aにも3種類あると思います。

 

  1. 既存事業の拡大
  2. 既存事業とシナジーを起こす隣地戦略
  3. 新しいテクノロジーを獲得するため

 

福祉用具レンタル業界は、5,000億円規模の市場におよそ2~3,000社がひしめき合っています。ロングテールな市場なので、同業他社の買収もしないわけにはいきません。

当然、それを達成させるための組織変革にも尽力して、2年目くらいからヘッドハンティングを始めて、毎年5~10件程度のM&Aを行っています。

 

 

トニー:既存事業と新規事業について、時間配分はどのようにされているでしょうか。

 

山下さん:自分にとっての時間配分と、会社の時間配分は別だと考えています。会社における時間は既存事業がメインですね。

やはりお金を生み出す源流ですから、その発展を妨げない範囲で新規事業や挑戦に充てるようにしています。

社長のリソースに関しては、“いま、どこに注げば成長が加速するのか”を念頭に、順調に行っている分野には入らず、難易度の高そうな新規事業などの分野にガッツリと入るようにしています。

 

トニー:では最後に、成功を目指して日々頑張っているアトツギたちにメッセージを。

 

山下さん:お伝えしたいことの一つは、“重要な決断をする場面で、一人だけで決めないこと”ですね。信頼できる仲間たちと必ず話し合って欲しいです。

もう一つは、メンターを付けることです。自分もそれによって様々な課題を整理できてきました。頑張ってください!

 

山下さんがメンターを務めるアトツギU34はこちら

 

本日の元動画はこちら

(Yotube動画:【福祉系アトツギ】月1で改善提案!後継者だからと言わせない【福祉用具】)

 

【インタビュイー】

株式会社ヤマシタ 代表取締役社長 山下和洋さん

https://www.yco.co.jp/

前社長である父の急逝により、25歳で従業員2000人の企業を事業承継。組織再編、社内制度の整備により、社長就任後5年以降は営業利益を4倍以上、事業シェアも上昇。

M&A、海外事業、EC等ウェブ領域、AI等の新規ドメインについても積極的に取り組む。ダイヤモンド経営者倶楽部「マネジメント・オブ・ザ・イヤー」受賞。

 

【インタビュアー】

一般社団法人ベンチャー型事業承継 コミュニティマネージャー トニー(衛門 宏樹)

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